信天翁航海録

信天翁航海録信天翁航海録
(2010/07/23)

一言で云えば、いつものレイルソフト×希でした(なので、興味を持った方はまず体験版を――本当にマジで体験版を触るべし。特攻するのは危ないヨ!)。
が、前2作に比して雰囲気が明るいというかノリが軽いというか、登場人物が奇人変人だらけだったりすることもあって、また出くわす出来事も奇出来事/奇事件ばかりであって、そういう意味でこの『信天翁』が一番やりやすいというか、プレイしやすいのかもなぁとは思います。

感想書いても仕方ない作品なので(「文章」がキモな作品なのだから、別の言葉に翻訳したらまるで意味がない)、以下軽く。
ダメ主人公オブザイヤーはもはや確定、どころかエロゲ史上最も「ダメ主人公」といえるくらいダメ人間な朔屋くんのダメっぷりをとくと拝見する物語。彼は全てのシナリオにおいて結局最後までダメを貫き通すわけですが、しかしそれが同時に彼の存在意義にもなっている(朔屋くんにとっては嬉しくないけど!)。それはつまり、どういうことかというと、ダメにより飛翔するということ。ダメを力に/ダメの力で飛び立つ鳥――まさに名前的にはアホウドリ
フィクションは正しくフィクション――つまり「別世界」であり、故に登場人物も正しくフィクショナル――つまり「非人間」である。しかし、たとえば夢から覚めても忘れていない限りにおいては、夢の内容は無かったことにならないように、物語が終わっても忘れていない限りにおいては、物語の内容は無かったことにならない。毎度のことながら、そういった基本律をしっかりと押さえているのがステキだなぁとか思いました。