リアル妹がいる大泉くんのばあい(2010、Alcotハニカム)

リアル妹がいる大泉くんのばあいリアル妹がいる大泉くんのばあい
(2010/05/28)
Windows

ライター:おるごぅる プレイ時間:9時間くらい 容量:1GBくらい 評点:55くらい

これはリアル妹が居る人にとっては耐え難いものでもありました。勿論行き着くところは逆なのですが、しかし酷く酷く酷い歪みではあった。この「遅さ」と、致命的な「順序の逆」は、ひるがえり、彼らがかつて兄妹でなかったことを意味している。
まず「遅さ」。EDで『生まれてきてありがとう』とか、”致命的に”遅いのです。妹居るひとなら分かりますよね、そんなものはみんな「最初から」抱いています*1。えーと、ようするに、”そんなことにEDでようやく辿り着くとか遅すぎるよ!”という話です。なにせそれまで(EDまで)は、そんな気持ちを抱いていなかったor気づいていなかったというわけですから*2。兄妹的には「今さらかい!」と唖然とせざるを得ない。

あと何か妹のためにするときに「兄貴だからな、妹のために頑張るんだ」的なことが散々語られますが、そんなものは実際の兄妹には「無い」*3。順序が逆としては在るけれど。実際は、「妹のために」なんてのは自明のものであり、「兄だから」なんてのは後付でしかないのです。その子のために何かする、頑張るなんてのは、当たり前のものであって、いちいち「兄だから」なんて考えたりしない。その理由を考えたときにはじめて「兄だから」という可能性が浮かび上がるのであり、それはあくまで後付であるべきなんですよ。これは兄妹に限った話でもありません。早い話、こう問えばいい――「じゃあお前は兄だからその子の為になろうと思うのか?」「お前が兄じゃなかったらその子のためにソレを為さないのか?」
兄妹という関係性があってソレが生まれるのではなく、ソレは自明のものとしてあり、その理由を考えたときにはじめて兄妹という関係性が生まれる。そういうものなのです、リアル兄妹というのは。関係性があって生まれるものではない、生まれた結果を考えてみたら関係性に回収されるというもの。――そう、だから、ラストになってはじめて「生まれてきてありがとう」とか決定的に「遅い」し、「兄貴だから頑張る(=兄じゃなかったら頑張らないのだ!)」なんて致命的に順序が逆なのです、リアル妹としては。

だからそういうことなんでしょう。逆転させると。彼らは、「兄と妹」ではなかった。誰もが当たり前に持ってるものに最終局面でようやく辿り着くとか(兄妹として)ありえねーのですが、故に、彼らは「普通の」兄妹ではなく――そして実際にそうではなかった。責任感や負担という負債や、恋慕に囚われていたのだから。それは普通の兄妹ではない。それは「兄妹」ではない。

そして、俺たちはようやく気づいたんだ。 自分たちがしていたことの過ち。 それが兄妹でするのは許されない、『いけないこと』だったということに。

俺は臆病だった。 子供ながらに感じていた『いけないこと』、ただそこから目を逸らして遠ざかるだけだった。

ここに来てボクはようやくまともなことを喋りますが、そういうものを引きづった上で「兄妹」であり続けようとしたのだから、それは当然、普通の兄妹ではないでしょう。兄妹とずれる。兄妹を虚飾しているだけである。 普通の兄妹には、それは存在しません。
『俺たちの恋は、はじまることなく終わっていた。』 と云うけれど、普通の兄妹というのは、はじまることなく終わる恋すら存在していないのです。はじまることなく終わるという「形式」でもそれが「存在している」という時点で充分に歪で、それはやはり「兄妹」ではない。はじまることがなく終わるという(目に見えず触れられない)形で存在していた、責任感や負担という負債や、恋慕を握り締めたままでは「兄妹」ではない――「リアル妹(まさに字義通りの!)」ではないからこそ、ここまで遅く、順序が逆であった。

だからこれは、「リアル妹」となる物語―――最後の最後にしてようやくゲームタイトルの意味が満たされる作品/物語でもあった。最後にして「ようやく」リアル妹になったのです。恋慕だの罪悪感だの責任感だのといった、彼と彼女を「リアル兄妹」にさせてくれなかったものを、最後の最後に乗り越えた。だからこそ、それ以前には存在していないにも関わらず、「そのあとに」生まれてきてくれてありがとう、が来るのは道理でしょう。
「遅い」も何も、彼らはリアル兄妹じゃなかったんだから、遅くて当然です。間にたわる様々なものを解消して――昇華して、彼らはようやく(恋人でもある)リアル兄妹になった。それがリア泉くんです。

補遺。 『栞「お兄ちゃんなんていらないよね」(最序盤のセリフ)』 ――これがそのまま、彼らが「リアル兄妹ではなかった」ことを示し表している。いや栞の態度とかもそうなんだけど。そこからリアル兄妹になっていくという話である。(栞に対峙する)自分のことを「兄」とか「お兄ちゃん」だとか平気で言うように――自分は”そういうものなんだ”と自分自身で決め付けるように――そのような立場・そのような視座・そのような観点でもって、涼くんは栞に対して存在していて、それは当然ながら反射規定的な指向(私は○○なのだから、○○らしくなくてはならない)を彼に強いていて、その原因がかつての出来事と家庭にあって、それを乗り越えることで、その頸木からも逃れられることになる。
『それが兄妹するのは許されない、『いけないこと』だったということに。』 それから少し距離を置くようになってしまった=兄妹として決定的にズレてしまったのだけれど、その『いけないこと』という(言わば)原罪に向き合って乗り越えることにより、……原罪というより象徴的去勢といったほうがいいですしょうか。あのときに象徴的秩序が、兄妹としても恋人(恋愛)としても(去勢されたことにより)歪んだ形で構成されたが故に、決定的にズレてしまったのだけれど、
『子供ながらに感じた『いけないこと』、ただそこから目を逸らして遠ざかるだけだった。』   それを越える――  『「見つかったら、今度はふたりで叱られよう」「ふたりで叱られて、そしてはっきり言おう」「俺は栞のことが」「私はお兄ちゃんのことが……」』
つまり、かつての失敗、かつての去勢を乗り越えるということです。
そしてその方法は、「ふたりで叱られる」ように、自分が権力を持って認められようというものではなく、相手が権力を持ったままでも生きていこうという形でした。彼ら自身が権能を手に入れよう、というのではなく、「権能に負けない彼らでいよう、今度こそは」という話です。ファルスを得るのではない、ファルスに負けないのだ。今度こそは、あの時の失敗、それと同じものに当っても、乗り越えられる―――
『俺たちは何に背くこともなく、真っ直ぐに前を向いて歩きだす決意をした。』

*1:そうじゃない奴をボクは兄妹とは認めない。

*2:まあ『生まれてきてありがとう』自体は曲の歌詞であり、大泉くんの思うところと一致しているかどうか分からないけど、しかし内容的には概ね同じようなこと想ってると想定は出来るでしょう。

*3:そうじゃない奴をボクは兄妹とは(ry

POG2010〜2011

さて、2010〜2011のPOGです。いちおう自己紹介しておくと、POG歴は7年くらい。去年はヴィクトワールピサルーラーシップ、リルダヴァル、トゥザグローリーなどを指名。一昨年はブエナ、フォゲ、ラヴェリータ、その前はポピー、モンテクリスエスキャプテントゥーレ、さらにその前の年はダスカ、ホウオー、ピンクカメオマイネルシーガルなど。つか去年までは別のところにちょこちょこ書いてたりしたから、見たことある人はお久しぶりです。
選出基準は「馬体」です。超馬体派。
まず馬体を見て、良かった馬から種牡馬で選り好みをして(たとえ馬体が良くても、父がアフリートとかカリズマティックだったらダートしか走らなそうだから取らない、といった感じで)、さらに厩舎や評判でちょこっと評価上げたり下げたりする。
「馬体」というのは絶対ではありませんが、確率論としては良いのではないかと思います。つまり、絶対に走る馬・絶対に走らない馬なんてのは、分かる筈がない。ただ「絶対」ではなく「確率的」に、走る馬を指名して、走らない馬を指名しないように(その方向に)持っていくことは出来るでしょう。適当に10頭選ぶよりは、人気どころ10頭選んだ方が確率的には走るでしょうし、適当に10頭選ぶよりは、なんらかの血統理論に応じた10頭を選んだ方が走るかもしれないし、適当に10頭選ぶよりは、ライン(厩舎・馬主・牧場などのライン)を加味した10頭を選んだ方が走る可能性は高い。それと同じようなことです。そういう意味で、馬体で選ぶというのも、血統とかラインとか情報とかとなんら変わりありません。ただアプローチの方向性が異なるというだけで。
ちなみに、自分の馬体の見方は、「過去の走った馬――その父の産句で走った馬――その母の産句で走った馬――その育成牧場で走った馬」、それらの要素と、現前ここに在る馬体写真との差異と同一性から、走る可能性と傾向を推し量ろうというモノです。あとは世代内の差異も、当然気にします。なんだかんだいって、同じ牧場でも、世代によって馬体の作りというのも違ってきますし(たとえば04年ごろのPOG本を見返してみれば、種牡馬の違いとかあるけれど、それにしても同じノーザンファームでも10年と04年では随分と異なっていることがよくわかる)。
まあそんな前置きはともかく、今年のリスト。実際はここからドラフトの末に15頭持ちなのですが、身元がばれたら嫌なのでその辺はぼかすということで(ぇ

1 テンペル ディープインパクト シーズアン 松永幹
2 ラロメリア キングカメハメハ ファインセラ 久保田
3 トーセンサイレンス ディープインパクト ミルグレイン 大久保龍
4 ユニバーサルバンク ネオユニヴァース ヴィクトリーバンク 松田博
5 オルフェーヴル ステイゴールド オリエンタルアート 池江寿
6 ルルーシュ ゼンノロブロイ ダンスーズデトワール 藤沢和
7 ハーキュリーズ ディープインパクト タックスヘイブン 角居
8 アドマイヤスコール フレンチデピュティ アズサユミ 友道
9 牝・ドナウブルー ディープインパクト ドナブリーニ 石坂
10 牝・アドマイヤセプター キングカメハメハ アドマイヤグルーヴ 橋田
11 ダーズンローズ フジキセキ ローザネイ 橋口
12 ガムラン シンボリクリスエス スカーレットベル 国枝
13 アルファホール ディープインパクト ドゥルセデレーチェ 萩原
14 プレイ ロックオブジブラルタル マイケイティーズ 斉藤誠
15 (未定) ファンタスティックライト ランフォザドリーム 河内
16 エイシンモンジュー Montjue Santa Catarina 西園
17 牝・マギストラ ディープインパクト マンファス 平田
18 ヘヴンリーブリス アグネスタキオン アドマイヤハッピー 池江寿
19 ベストリガース ネオユニヴァース グリーティングス 野中
20 アスールアラテラ ディープインパクト ディスカバリングビューティー 角居
21 (未定) ネオユニヴァース ファンジカ 大久保龍
22 (未定) マンハッタンカフェ スイートストームクリーク 藤原英
23 ヴェイロン キングカメハメハ ヘヴンリーロマンス 松永幹
24 ベルシャザール キングカメハメハ マルカコマチ 松田国
25 ハンドインハンド マンハッタンカフェ シェイクハンド
26 マスターズソング Unbridle's Song Dream of Summer 矢作
27 ザルグーン ディープインパクト ゴールデンサッシュ 池江郎
28 (未定) ネオユニヴァース ゴールドプライシズライジン 矢作
29 アーバンアスリート タヤスツヨシ ジョウノエンジェル 宗像
30 (未定) ゼンノロブロイ トレンディーバトー -

S+クラス

1 テンペル ディープインパクト シーズアン 松永幹


さて、今年の一番はなんと言ってもテンペルです。しょーじき「化物」とか言いたくなるレベル。この非の打ち所が無い馬体(敢えて言えばもうちょっと体高があればなんだけど)の前には、跪いて玉座(一位の座)について戴くしか道は無い。個人的に、今まで馬体派でPOGやってきて「S+」評を付けた馬は、ディープインパクトトールポピーブエナビスタの3頭だけ(勿論いずれも一位指名)でした、が―――今年、この仔で4頭目になります。うん、そのくらい自信ある。これで走らなかったらマジ痛い(こんな自信満々言ってて痛いなという意味と、実弾的な出費的な意味で痛い)。ポピー以上、ブエナ級、ディープ以下。そのくらいには素晴らしいでしょう。
……いやナンダこの褒めっぷり(笑)。過去の馬で言うと、フサイチジャンクとかダンシングオンに比較的似た馬体でしょうか。ダンシングオンはお尻がショボイB級、フサイチジャンクはDオンの欠点を克服したウェルメイドな高馬体でA級といった見た目なのですが、テンペルはそこにさらに、ありとあらゆる点で上積みを加えたような馬体です。褒めすぎですが、実際良いのだから仕方ない。えーと、目下の所、最大の敵は怪我や体調でしょうか。兄姉にはそれでデビュー出来なかったり、長期休養したりという馬が多かったですから。

A+クラス

2 ラロメリア キングカメハメハ ファインセラ 久保田

今年の二番手はラロメリアさん。ちょっとお尻が心許ないですが、それ以外はパーフェクトな馬体ですね。去年はキンカメ大豊作だったのに対し、今年は去年ほどではない、ちょっとイマイチに見えるのですが、その中ではかなり良い方だと思います。走るキンカメというと、まず繋ぎに注目だと思うのですが(ルーラーシップトゥザグローリーアパパネローズキングダム・ミッキードリーム・ショウリュウムーンなど、皆ある程度繋ぎが長いor/and寝ている。寝てないで走ったフィフスペトルのような例外もありますが、逆に言えば寝てない馬はフィフスペトルくらいしか走ってないので、確率論的には、繋ぎの長さ/角度は重要であると言えます)、今年は案外とこの段階で満たせていない馬が多い。これは初年度産句の時もそうでした、あの時も大コケするかと思って――実際に大コケしたのですが、今年もちょいヤバめです。勿論初年度ほどヤバくはないのですが、去年レベルは無いんじゃないかなーと。
というわけでラロメリア、並み居るキンカメ産句の中ではベスト過ぎます。自分がA+評価付けた馬は、去年でいうとルーラーとゴルスキとラフォルジュルネ、一昨年はフォゲとラヴェリータ、その前はキャプテントゥーレ。なんだか当ってるようで当ってないようでちょっと当たるというか、なんとも言い難いですが、そんなに悪くはないかなー、とかとか。

B+〜A-クラス

3 トーセンサイレンス ディープインパクト ミルグレイン 大久保龍
4 ユニバーサルバンク ネオユニヴァース ヴィクトリーバンク 松田博
5 オルフェーヴル ステイゴールド オリエンタルアート 池江寿
6 ルルーシュ ゼンノロブロイ ダンスーズデトワール 藤沢和
7 ハーキュリーズ ディープインパクト タックスヘイブン 角居
8 アドマイヤスコール フレンチデピュティ アズサユミ 友道

3番手グループ。順位は一応つけてますけど、けっこう順不同な感じです。まずトーセンサイレンス。ちょっとイチかバチかぽさが残ることは否定できませんが、いい馬体です。完成度が高い。しかし評判とか全く聞かないので怖いところがありますねw
ついでユニバーサルバンク。果たしてネオユニ産句で走る馬体というのは如何なるものであろうか――という問いに対する解答がわかんねえのですがw。去年でいうとゴルスキ・インペリアルマーチ・ヴィクトワール・アドマイヤジャガージャポニズム、この駄馬と名馬が混じったラインナップ5頭を、全頭評価していたわけです。一昨年ならアンライとネオレボルーションを評価していた。……うん、正直なところ、走る仔と走らない仔との決定的な差異がよく分かんないんですよ。一応数頭までは絞れて、その中に当たりが含められる、というレベルまでは見れるようになったっぽいんですけど。ネオユニ産句というと、まず繋ぎが長くて寝ていることが重要で――まあ産句の大半が繋ぎ寝てるけどw――お尻なんかは低かったり、ボリューム感が多少は薄かったりしても良くて、とはいえ背中はラインが出来ていて、ただ少し前が勝ち気味で、バランスの良さより推進力重視といった感じなのだろうか―――ええ、何言ってるのかわかんねえかもしれませんが、俺にもワカンネ。えっと、そんなわけでユニバンくんなんですが、非常に綺麗な馬体だと思います。ぶっちゃけネオユニだからよくわかんねえ。走る時は走るんじゃないでしょうか。
オルフェーヴル。普通に良い馬体です。ちょっとお尻がショボ目ですが、SS系なので大目に見れるのかもしれない。まあステイゴールド産句の走る馬体がどんなのかわかんないのでなんとも言えないですが、お尻以外は非常に優れた馬体。あと評判がいいですよね。
ルルーシュ優駿の5月号にしか写真が載ってなかったと思うのですが(なので全力で見逃した(※お約束)人も結構いるのではないかと思います)、そこで見る限りは結構良い馬体でした。ただちょっと足を動かしていた写真だったので、別の写真も見てみたいなぁというのが本音。なので多少のイチかバチか感があります。しかしこの仔、なんかネットを見てると地味に人気してるみたいですね。ロブロイ取りたいけど産句の情報が少ねえー!という今年の状況からすると、ペルーサと同じラインということもあって、数少ない人気ロブロイ産句の一頭なのかもしれませんね。
次、ハーキュリーズ。馬体は良いですね。ずば抜けて良いというわけじゃないのですが、安定して良いというか。怪我とかしない限り、大ハズレってことは無いと思います。単純に言えば、社台ファーム育成で尻高あって背中のラインも綺麗な仔は結構安定感高いんじゃないかなぁと(それこそアリゼオキャプテントゥーレなど)。兄弟も安定して走っているし、厩舎角居だしと、計算できそうな戦力です。たぶん。
アドマイヤスコール。これはもう馬体を見れば一目瞭然ですね。どんだけ大器、どんだけ潜在能力高そう、といった感じ。これで父がタキオンとかキンカメなら、2位か3位で行っていたと思います。そう、最大の敵は父がフレンチデピュティだと言う事……フレンチ牡馬の走る馬体なんて全然わからないです、なぜなら、フレンチ牡馬で3歳春までで走った馬がいないから! といえるくらい、けっこう怖い(実際内国産になってからはアエローザくらいしか走ってないんじゃないだろうか)。あと馬体的には前脚の部分がもにょっとなってる(なんとも表現できないのだけど)もいただけないですね。唯一・最大の欠点というか。それでもまあ、牧場とかの評価は高いみたいですし、しかもフレンチということで(上記のようにw)ドラフトじゃ勝手に嫌われて、案外中位〜下位の方でも取れるかもしれないので、押さえてはおきたいですね。

Bクラス

9 牝・ドナウブルー ディープインパクト ドナブリーニ 石坂
10 牝・アドマイヤセプター キングカメハメハ アドマイヤグルーヴ 橋田
11 ダーズンローズ フジキセキ ローザネイ 橋口
12 ガムラン シンボリクリスエス スカーレットベル 国枝
13 アルファホール ディープインパクト ドゥルセデレーチェ 萩原
14 プレイ ロックオブジブラルタル マイケイティーズ 斉藤誠
15 (未定) ファンタスティックライト ランフォザドリーム 河内

続いて4番手グループです。やっと牝馬が出てきた! ということでねー、今年全然牝馬がいないんですよ。30頭挙げて3頭しかいないってどういうこと……(しかもそのうち2頭は順位的に取る気ねーだろだし)。いちおう、この30頭の中に入らなかった牝馬としては、ユメハナネオユニヴァース・プリセージ・山内)、アースソングアグネスタキオンワールドミュージック・未定)、オーガストウェイアグネスタキオン・オウリエット・小笠)あたりが一応候補には残ってました。状況次第では取るかも。
ということで、ドナウブルー。そういえばディープの人気馬があんまりいないリストですが、いや実際人気どころはなんとも言い難い微妙な雰囲気に満ち溢れてると思います。トーセンレーヴエアトゥーレの仔、ヴィジャイ、ピカソ……決して悪くはない、1勝も出来ないってことは無いだろうけど、もし当たりでもオープン勝ちレベルなんじゃないかなぁと(過去で言うならポルトフィーノとかニュービギニングの時もそう思ったのですが、つまり、当たってもそんなものかな、と)、思うのです。エアデジャブーの仔、ロゼカラーの仔、ペルーサの下、インパクトゲームあたりはもっと単純に危険球ではないかと。プリンスデトワールはちょっと迷いますが、イチかバチかっぽい馬体なので難しいところ(その上、1位2位レベルの人気どころですし)。イグアスやアドマイヤコリン、ランブイエ、パッションダンスあたりはかなり気になるところではありますが、流石に手が回らない(下位で取れるかどうかというのと、そこまでディープ産句増やして大丈夫か、という疑問点とで)。ということで、ディープは意外と人気薄の方が気になる――というか単純に馬体が良い馬が多かったりします。そんな人気所の中で、最も迷わされるのがグルヴェイグ――エアグルの仔なんですが。ボク個人は、ほぼ毎年エアグルを1位2位あたりで指名しているので、今年取らないと寝覚めが悪いといのもありますし、実際に馬体も悪くはないんですが―――悪くはないんですが―――しかし良くもない、なのに1位2位じゃないと取れない、という非常に困難なところ。歴代エアグル産句の2歳時の写真を見ると  フォゲ>ルーラー>アドグル>>越えられない壁>>ポルトグルヴェイグ>ザサンデーフサイイチ  といった感じで、なんでしょうか、グルヴェも決して悪くはないのですが、1位2位で行かないと絶対取れない割には、1位2位で行くほどではない、しかし持っておきたい、という難しいところがあります。
うん。えっと、ドナウブルーの話に戻りまして。この仔は結構イチかバチかでして、や、写真によって見た目が結構違ってるんですよね。サンチバ写真は微妙、ディープ147頭本だとそこそこ良い、競馬王だと結構良い、といった具合に。全体的に緩さとかも気になりますし、走るか・走らないか、イチかバチかな感じかなと思います。
続いてアドマイヤセプター。これを10位ってまず不可能なので、実際には3位くらいで狙っていきたいと思います(それでも無理かも?)。 馬体が良いのは確かです。無論、ここに位置しているとおり、何をも無視するほどすげーイイってわけではありませんし、ちょっとリスクを感じなくもない馬体ではあるのですが(前述のキンカメ繋ぎ理論的には、アドセプの繋ぎは合格と不合格の間の非常に微妙なラインにあると言えそうですし)、とはいえここに位置するくらいには良いということでもありますし、少なくともアドマイヤテンバよりは良い馬体だと思いますので、まあ悪くても2勝レベルくらいなら堅そうかなとか思います。ということで、評価はそんなに高くありませんが、牝馬いないし、是非とも取っておきたいかも。
お次ダーズンローズ。なんかローズキングダムのお陰もあって、さらに橋口先生の評価も高いということあって、それなりに人気しそうでちょっと嫌ですねぇ。馬体は良いです。優駿の写真は、バランスがあんまりよくありませんがトータルで見ると結構良い、サラブレの写真はさらにバランスが悪い感じですがそれでも悪くない、いやかなり良い、そして赤とか青に載ってるサンチバの写真で見ると、これが素晴らしく良い。――サンチバの写真というのは、変な体勢で取られている写真も多くて、あまりあてにならないのも確かなんですが、それでもこれはどうしても取っておきたいと思わせるくらいに良い写真でした。ということで、以上3つの写真を統合すると「かなり良い感じ」という評価に落ち着きます。……11位じゃ無理かもしれないので、もうちょい上げても良いかもしれません。
ガムラン。スカーレットベルの仔とスカーレットレディの仔がごっちゃになる人が続出してたんじゃないかなーと思うのですが(つかボク自身)、えーどちらも良いです。どちらも良いのですが、さらに良いのはガムランの方でしょう。もう少しカチッとなってくれた方が安心して取れるのですが――ちょっとダメかもしんないリスクはあるのですが――それでも国枝さんですし、充分悪くはないかと。
ついでアルファホール。当初は同じくキャロットのリアルインパクトあたりと迷ったのですが、こちらで。結構イチかバチかの感じもしますが、まあいいんじゃないでしょうか。(つか、この辺の順位になるとコメントする内容がなくなってくるw)
プレイ。このプロフィールを見た諸君は「これは無いだろう」と、岡田レジェンドの「THE普通」パリスフレンズや「THE3億」カームを反駁しながら思っているかもしれませんが、だが、しかし、いやはや、プレイはマジで良いのではないでしょうか。無論この順位に居るようにウルトラ良いってわけではないのですが――また写真によって結構見栄えが変わっているのですが(サラブレ:良い、ギャロップ:普通、UMAJIN:あんま良くない、といった感じに)、それでも、ビッグレッドファームの中で1頭だけ、まるでノーザンファームの馬のように垢抜けてる姿からは、非常に強い魅力を感じさせます。
そしてランフォザドリームの08オウケンサクラの下ですね。優駿の5月号でしか写真を見かけなかったのですが、いやはや非常に良い馬体です。オウケンと同じブラッシンググルーム系ですし、露出が少ないように人気もあまり無いでしょうし、これはこれで良いのではないかなーと思います。

B-以下〜

16 エイシンモンジュー Montjue Santa Catarina 西園
17 牝・マギストラ ディープインパクト マンファス 平田
18 ヘヴンリーブリス アグネスタキオン アドマイヤハッピー 池江寿
19 ベストリガース ネオユニヴァース グリーティングス 野中
20 アスールアラテラ ディープインパクト ディスカバリングビューティー 角居
21 (未定) ネオユニヴァース ファンジカ 大久保龍
22 (未定) マンハッタンカフェ スイートストームクリーク 藤原英
23 ヴェイロン キングカメハメハ ヘヴンリーロマンス 松永幹
24 ベルシャザール キングカメハメハ マルカコマチ 松田国
25 ハンドインハンド マンハッタンカフェ シェイクハンド
26 マスターズソング Unbridle's Song Dream of Summer 矢作
27 ザルグーン ディープインパクト ゴールデンサッシュ 池江郎
28 (未定) ネオユニヴァース ゴールドプライシズライジン 矢作
29 アーバンアスリート タヤスツヨシ ジョウノエンジェル 宗像
30 (未定) ゼンノロブロイ トレンディーバトー -

以下は軽く。
エイシンモンジューは馬体知らないのですが(笑)、いや非常に評価高いみたいなので。非常に評価高い上にモンジューなので……いや「モンジューかよ」と残念がるところなのかもしれませんが、まあ一歩間違えば中長距離でも狙えるのは魅力的かなぁと。一応この位置においてますけど、ドラフトでは5位以内のどこかで狙ってみたいと思います。
マギストラグルヴェイグだったりランブイエだったりレッドディーヴァだったりヴェルデライトだったりサルヴァトーレピサだったりと、ディープ牝馬は気になるけど強く推せないなぁというなんとも微妙に高評価な馬が結構いるのですが、その中でベストなのはこの仔ではないでしょうか。グルヴェイグを全体的にちょっと良くした馬体がこの仔、という感じ。多少緩いのでそれが気になりますね。
ヘヴンリーブリスPOG本にはサンチバ写真しか載ってないので半信半疑なんですが、評判いいですしね(日和った)。 http://www.sundaytc.co.jp/collection/list2001/photo_catalog/83138.html 一口募集時。良い馬体であることは確かです。
ベストリガース。なんとも言えない、難しいネオユニ。なんとなくスーブルソーとか思い出してしまうんですけど(ギャロップで載ってる場所も両者同じだし!)、まあ悪くてもそのくらいは走ってくれるかなぁと。
アスールアラテラ。ここまでイチかバチかと言い続けてきましたが、しかし遂に来た、この仔こそが、今年一番の イ チ か バ チ か !!!  ……説明はいらんでしょ、馬体見ていただいて、そして馬体重が410kgぐらいだとかいうことを知っていただければ、それで全てお分かりになると思います。本当にイチかバチか。そもそもデビューできんのか、ってところからしてイチかバチかな気もしますけど。
ファンジカの08。ちょっとばかりネオユニっぽくない馬体ですが、結構良いと思います。情報があんまないのと、何故か須田鷹雄がポツン二重丸打ってるのが、なんか逆に不安ですね(笑)。
スイートストームクリーク08。坂東牧場ってよくわかんないんですけど(ちなみにボクはエイシン(天栄)とニシノ(西山牧場)がまったくわからないのでガン無視しています。あとノースヒルズもあんまり得意じゃない。下川辺もちょっと自信薄。逆に社台ファームノーザンファームはどんと来いです)、よく分かんないのでイチかバチかな面もありますが、良い馬体だと思います。貴重なマンカフェ産句ですしね(※POG本にあんまり載ってないので取る機会が少ない、という意味で貴重)。来年の京都新聞杯に期待です(メイショウで藤原英とか、いかにも出てきそうだし)。
ヴェイロン。コードゼットの下ですが、コードゼットよりは明らかに良いです。コードくんのお陰で人気も落ちてるでしょうし、下位でなんとなく狙いたいところ。
ベルシャザール。この馬は、サンチバ写真(※POG本ではサンチバ写真しか載っていないと思います)も決して悪くはないんですが、なんといっても一口募集時。  http://www.shadaitc.co.jp/collection/list2001/photo_catalog/83046.html  驚異的に素晴らしい。もちろん現在の、サンチバ写真も良いので、しかもマツクニですし、押さえておきたいところです。
あとキンカメ産句としてはシーディザーブスの仔も良かったですね。競馬王の本でしか見かけなかったので、ちょっと推すには不安があるのですが。
ハンドインハンド。評判高いみたいなんで。なんとなく(ぉ)   馬体も悪くないと思うんですけど、ノースヒルズですし、いまいちよく分かんない。
マスターズソング。ちょっと胴と、前脚部分のもさっとした感じが気に入らないのですが、他は概ね良いですね。てゆうかシュウジディは相変らず良いですねぇ。特にサラブレで見ると、断然に良いです。サラブレだけ写真の質が違う(笑)。リストに載せていませんが、ダンツクインビーの仔も非常に良いです。31位といった具合に。
ザルグーン。ちょっと間延びした感がある点と、繋ぎが長いのに立ち気味な点が気がかりですが、しかしながら非常に良いとは思います。なんか、何かのお手本みたいな馬体。
ゴールドプライシズライジング08。馬名長い。シュウジディなので、サラブレで見るのがベスト。他で見るとあんま良くないw 一言でいうと「ヴィクトワールピサをショボくした感じ」という馬体。しかし、ショボくても、ヴィクトワなのだ。しかも矢作だし。まあ例の如くイチかバチかな雰囲気ですけど。
アーバンアスリート。今年の穴枠。今年のグローバルはなんか良いですね。凄い良いってわけではありませんが、たとえばソウルオブエイチなんかも、劣化ルーラーシップといった馬体で、決して悪くない(つまり2勝くらいは出来るんじゃないかと)。で、アーバンくんですが、馬体はソウルオブエイチと同じくらい、つまり活躍しても兄貴くらいかなぁと思うのですが、しかしタヤスツヨシ産句で走る馬とか取れたら自慢できそうじゃん、ということでw
ラスト、トレンディーバトー08。ロブロイの仔が5000万で落札されたことで話題になったHBAセールで、主取りとなったロブロイ産句です(笑)。や、もちろん、高値だったトネスボウスの仔も良い馬体(しかも藤沢和厩舎予定)で、そっちも取りたいのですが、しかしトレンディーバトーの仔はもっともっと、さらに良い。ただ厩舎未定だし、そもそも馬主もどちらになるのかよく分からないし、また馬体が素晴らしいといっても(セリサイトで)写真一枚しか見ていないのであって、つまり不安要素満載なので一応この位置においておいたということなのですが。UMAJINとかnetkeibaのような、デビュー直前で指名できるPOGの方では、情報次第で行ってみたいと思います。


ということで、都合30頭(実際に選ぶのはうち15頭ですが)。とりあえずこの30頭には、30頭ピックアップのひとつの基準、丹下さんの30頭を越えてみたいですね。

恋する妹はせつなくてお兄ちゃんの匂いが臭いことに気づかないの

エロゲ界隈では「妹が洗濯前のお兄ちゃんの服をこっそり手に入れて、その匂いでオナニーしてしまう」というシチュエーションがよく出てきます。
■エロゲの「お兄ちゃんの匂いで欲情してしまう妹」について科学的に考えてみた
http://d.hatena.ne.jp/efemeral/20100616/1276697682

あー、あるあるそういうシチュ! と思ったけどよく考えたら、匂いをかいで興奮くらいならしょっちゅうありますけど、オナニーまでするのってそこまで多くないような気がする……や、抜きゲー方面は全然やらないんで、そっちでは日常的出来事なのかもしれませんが。まあエロゲにおいては、興奮するのとオナニーするの間に差なんてあってないようなものなので(実際、エロゲではヒロインのオナニーなんて興奮や生々しさの”表象”でしかない)あまり変わりませんが。


しかしこの結論部には少し反論しなければならないでしょう。

兄弟姉妹は似たような遺伝子の組み合わせになり、また同時に似たような体臭になります。そして女性に父親や兄弟の体臭を嗅がせる実験をすると、驚くほど強い拒否反応を示したとの事です。

であるからこそ、

どうやら科学的には「お兄ちゃん臭い、近づかないで」が正しい妹の反応であり(中略)
よって、「お兄ちゃんの匂いで欲情してしまう妹」とは、
・血が繋がっていない
・男性の匂いを嗅ぎ分ける機能に異常がある
のどちらかである。という事になります。

という結論なのでしょうが、しかしそれは科学至上主義的すぎるのではないでしょうか。というかむしろ、だからこそ凄いシチュなのではないでしょうか。 妹にとっておにいちゃんの匂いは臭いとか、拒否反応を起こすといっても、それは生死に関わる絶対克服不可能なものではないでしょう*1。科学的に「嫌い」「苦手」と判定されただけであり、たとえば納豆のにおいが嫌だとか、高い所が怖いとかと同じく、克服可能な障壁じゃないでしょうか。
よーするにですよ、この妹さんが現実に本来お兄ちゃんにかぐ匂いは、科学的には、臭い匂いの筈なんです。なのに臭くない。あるいは、臭さに関わらず興奮してしまう。「お兄ちゃんの匂い……はぅ〜」となってしまう。これは要するに、単純に、そんだけ好きだっていう話ではないでしょうか。本来なら○○の筈なのに、それを覆し××にしてしまうほど好きだ。恋は盲目、あばたもエクボというように、好きだからこそ幻想のカーテンがそこに作用する。そこに在るもの「以上のモノ」「以外のモノ」を見せてくれる幻想。精神分析だったらアガルマとか言うべきものでしょう。たとえば、「百年の恋も一気にさめる」という言葉がありますが、これは逆に、"それまでの恋が如何に幻想に支えられてきたか"ということの証左でもあるでしょう。本当はこんな簡単に醒める、醒めてしまうような恋なのに(恋とはそういうものなのに)、しかし「さめる要因」足る現実を隠し、「百年の恋」を構築するような幻想がそこにはある。
――つまりこれも同じです。本来は臭いけれど、それを覆い隠すほどの幻想が生まれている。それは、つまり、それだけ好きだってことではないでしょうか。

結論

ということで、この科学的見地を付け加えることにより、我われはむしろより興奮できる手段を手に入れたのではないでしょうか。臭いはずのお兄ちゃんの匂いに興奮する妹は、義妹だから科学的見地からの嫌悪感を感じない=臭くないのではなく、鼻が詰まってるから匂いが嗅げないのでもない、臭さを百年の恋のような幻想で塗りつぶしてしまえるほどにお兄ちゃんが好きだから、通常なら臭い匂いも(恋は盲目ならぬ盲嗅的に)臭くない。あるいは、オナニーできる心地よい臭さに幻想が還元してくれているのかもしれません。
―――恋は科学にもDNAにも負けるわけがないのでして、だからこそ、恋の勝利の実現が見れるこういうシチュにこそ、我われはより驚きと興奮を得られるのではないでしょうか。

*1:また近親相姦の禁止というのが、絶対道徳に備わる超越的な禁止項や人間本来に備わる超越論的な禁止項ではなく、如何に文化・社会により規定されてきたことであるかという面にも疑義を差し込める余地はあるでしょう。